Web屋としての歩き方|IE6〜AIトリオ
はじめに:Webの変遷と共に歩んだ20年
Webの世界は、驚くほどのスピードで変わり続けています。
私がWeb制作の道に入ったのは、まだIE6(Internet Explorer 6)が当たり前だった2000年代初頭でした。
画面でのレイアウト崩れが日常だった時代から、AI(ChatGPT / Gemini / Copilot)が制作や分析を支える時代へ。
その変化の中で私が一貫して大切にしてきたのは、「現場で役に立つこと」と「続けられること」です。
このページでは、20年以上の現場で積み重ねた経験と、そこから形づくられた制作の信念を、ストーリーとしてまとめました。
技術が変わっても変わらない、Webの本質をここに残します。
IE6からAIトリオまで|エッグデザインオフィスの仕事論
Webの仕事を長くやっていると、「時代が変わったな」と感じる瞬間が何度もある。IE6、XHTML、UA(Universal Analytics)、EC-CUBE、WordPress、そしてAI。振り返ると、その時々で最適解は違っていたけれど、やってきたことの本質はずっと同じだった。
「ユーザーにとって必要なものを、必要な形で届ける」こと。
ユーザーのためにすることは、結局すべて自分に還ってくる。
資料作成も、解析も、設計も、細かな調整も。
どんな仕事も、納得できるところまでやり切る。
その積み重ねが、次の仕事につながり、経験として自分に残る。
その原点が、IE6の時代だった。
IE6時代、Webは“技術力が丸見え”だった
Internet Explorer 6 が主流だった時代、レイアウト崩れは日常茶飯事だった。float: left; と overflow: hidden; は必須で、親要素を伸ばすために何が起きているかを理解していないと、まともに画面が組めなかった。
だからこそ、私はIE6が嫌いではなかった。IE6を攻略できれば、他のブラウザではまず崩れない。仕様は厳しかったが、一貫性はあった。
当時はXHTMLの時代。メニューを1つ変更するだけで、全ページを手で直す。今思えば非効率だけど、この時代にDOM構造やマークアップを身体で覚えたことが、後の大きな財産になった。
UA時代のSEOは「答えが見える世界」だった
Google Analytics(UA)の時代、検索キーワードはそのまま表示されていた。今では考えられないけれど、ユーザーが何を入力してサイトに来たのかが手に取るように分かった。
クライアントに画面を見せると、「こんなことまで分かるんですか?怖いですね…」と驚かれたものだ。
でもSEOをやる側としては、これほど分かりやすい世界はなかった。正解も失敗も、すべて数字で返ってくる。
EC-CUBEとの出会いと“違和感のあるキーワード”
健康食品会社のネットショップ制作を任されたのが、大きな転機だった。当時はネットショップの知識もなく、調べた末にEC-CUBEを選んだ。必死に勉強してカスタマイズし、ショップと商品説明用の誘導サイトをつくった。
扱っていた商品は「耳鳴りに効果がある健康食品」。記事を書き、解析を見て、改善を繰り返す日々。
そんな中、UAに少し気になるキーワードが出てきた。「尋常性感染」。
訪問数は少ない。でも滞在時間が異常に長い。
気になってクライアントに聞いてみると、「実は耳鳴りより、そっちの方が効果がある」という答えが返ってきた。
そこでコンテンツを全面的に作り直した。耳鳴りから尋常性感染へ。
結果は一気に出た。集客が伸び、問い合わせが増え、タイミングを見て広告を打つと月商100万円、やがて200万円規模にまで成長した。
SEOとは、キーワードを当てにいくものではない。ユーザーの“本音”に気づけるかどうかだと、この時に強く実感した。
「資料がない会社」と一緒につくるということ
当時のクライアントは、ほとんどが零細中小企業だった。立派な資料など持っていない。
だから、ヒアリングをして、競合を調べて、コンテンツはすべて自分で書いた。すると不思議なことに、書いているうちに
- 会社の強み
- キャッチコピー
- コーポレートメッセージ
- コンセプトが自然と見えてくる。
いわゆるブランディングだ。
コンテンツがしっかりしているサイトは、公開した瞬間からSEOが強い。問い合わせが増えすぎて「これ以上受注できないから少し落とせない?」と言われたこともある。それは断ったけれど、この頃にSEOの専門家としての自信が一気についた。
WordPressと情報量の時代へ
EC-CUBEは使いやすかったが、プログラマーではない自分には限界もあった。SmartyからTwigへ移行した頃、「これは別の世界だな」と感じた。
ちょうどWordPressとWelcartが選択肢として現れ、そちらに移行した。当時はWordPress自体も初めてだったが、何より違ったのは“情報量”だった。
分からなければ調べればいい。答えがどこかにある。
WooCommerceに特別なこだわりはない。情報が多く、解決策に辿り着けることが一番重要だからだ。
AI時代、最強の武器は“現場で積み重ねた経験”
今はAIの時代。ChatGPT、Gemini、Copilot。この“AIトリオ”は本当に頼りになる。
ただし、AIは万能ではない。AIを本当に活かせるかどうかは、使う側次第だ。
SEO記事を「一発で書いて」と頼むと、AIはきれいで無難な記事を返してくる。それだけでも凄いと感じる人は多い。
でも、SEOで戦うには足りない。
自分の経験、実績、現場で積み重ねた経験を伝え、回答をもらい、また伝え、また修正する。
この“往復”をして初めて、戦える記事になる。
だから私はAIを「道具」ではなく「パートナー」だと考えている。打ち合わせはいつも真剣で、回答は流さず、飛ばさず、全部読む。
AIに頼む前に、目的を決める
最近よく感じるのは、「SEO記事を書いてほしい」と「AIによる概要に掲載されたい」は、まったく別の依頼だということ。
目的を明確にして、「このキーワードでAIに紹介されたい」と伝えるところから、AIとの対話は始まる。
現場で積み重ねた経験があって、目的が明確なとき。
AIは、最高の相棒になる。
おわりに
IE6の時代から今まで、ツールも環境も激変した。
でも変わらないものがある。それは、
- ユーザーを見ること
- データを疑うこと
- 自分の頭で考えること
AI時代になっても、それは同じだ。
だから今日も、納得できるまでAIと対話して、最後は「ありがとう」で終わる。
これが、私のWebの仕事だ。
エピローグ
WebもAIも、これから先どう変わるかは分かりません。
でも、最後に頼りになるのは、
机上の正解じゃなく、本当の現場で積み重ねた経験だと思っています。
変わるものに合わせながら、
変わらない軸で、これからもWebと向き合っていきます。
2008年に起業し、大阪を拠点に中小企業のWeb制作と運用支援を続けています。IE6の時代から現場で手を動かし、EC構築、SEO、WordPressまで実務を積み重ねてきました。
つくって終わりではなく、「更新しやすく、運用しやすく、成果につながる」ことを大切に、設計から改善まで伴走しています。
